ニュースリリース(平成21年)

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平成21年11月24日

京都・霊鑑寺に存在する複数の椿原木のクローン化成功について

臨済宗 霊鑑寺(住持:佐藤心弦尼 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町12)の境内には、池泉鑑賞式庭園が広がり、その庭には後水尾天皇遺愛の“日光(じっこう)椿”(京都市天然記念物)をはじめとする、霊鑑寺だけに現存する数十品種の椿が植えられています。

それらの椿は、古いもので300年以上の樹齢を重ねたものも存在し、昨今では樹勢が衰えはじめる品種も生じてきたことから、2007年より住友林業株式会社(本社:東京都千代田区 以下、住友林業)が複数の霊鑑寺オリジナル品種の椿を対象とした後継稚樹の増殖(クローン化)に着手しました。その後株式会社資生堂(本社:東京都中央区 以下、資生堂)の技術協力によって、この度3種類の霊鑑寺オリジナル品種の椿の後継稚樹の育苗に成功しましたので、お知らせします。

1. 後継稚樹の育苗に成功した品種
  霊鑑寺オリジナル品種のうち“日光(じっこう)”、“散椿(ちりつばき)”、“小桜(こざくら)”の3品種を選択しました。日光椿は後水尾天皇の遺愛の品種であり、京都市天然記念物に指定されていること、また樹勢が弱くなっており枯死への危惧があることから、まず育苗を決定しました。残る2品種については霊鑑寺に植生する約30種類もの椿の品種をすべて調査することを前提に、住友林業のデータベースへの登録が早い順から選択しました。
2. 育苗の方法
  挿し木増殖を採用
 

樹木は樹齢が高くなるにつれ、挿し木の発根率が低くなると言われていますが、まずは発根能力がどの程度あるかを確認するため、発根剤等の薬剤を全く使用せずに試験を実施しました。選択した3品種とも30%程度の発根率という結果になりましたが、これは同様の試験を20年生程度の椿の若木でおこなった場合、ほぼ100%の発根率が得られることから、樹齢とともに発根能力が低下していくことが確認できました。

資生堂“KODA(コーダ)”の採用
 

椿は成長の遅い樹木ですが、芽の初期成長を促進させることによって苗の栽培期間を短くすることが可能です。そこで資生堂が花芽形成促進成分として見出した天然植物脂肪酸である、Ketol-OctaDecadienoic Acid (通称“KODA”)を用いて芽の成長促進試験をおこないました。

その結果、“散椿”では促進効果は認められませんでしたが、“日光”および“小桜”では芽の伸長促進効果が認められ、特に“小桜”では大幅な成長促進効果(無処理に比べ、倍以上の芽の伸び)が確認できました。

3. 今後の予定
  (1) 他の霊鑑寺のオリジナル品種について
 

今回増殖した3つの苗は住友林業筑波研究所にて育苗を行い、1m程度に成長したのち、霊鑑寺に納める予定です。

また他の品種につきましても毎年2〜3品種ずつ選択し、挿し木による増殖を試みていく予定です。

(2) 組織培養による増殖について
 

組織培養、すなわちバイオテクノロジーを用いた増殖は、組織自体の若返りが期待できることから、組織培養による増殖技術の開発も平行して取り組んでいます。ただし、これまでに椿の成功事例がないこと、また椿という樹種の成長が遅いことなどから、数年の時間を要すると考えています。


以上
≪お問合せ先≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 佐野・佐藤
TEL:03−3214−2271
FAX:03−3214−2272

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